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カナダ旅行記Vol.2
3日目の9/1(金)は、朝からPEI Select Tourが主催する、「赤毛のアン」の日本語ツアーに参加しました。9:45にホテルでピックアップしてもらい、赤毛のアンや作者のモンゴメリゆかりの地をめぐりました。

★プリンスエドワード島国立公園
美しく特徴ある海岸風景を保護するため、1937年に国立公園として制定されました。海と空の青と、赤い岩盤と砂浜のコントラストが印象的な海岸でした。公園内には国立公園制定前の居住者が今でも住んでいるそうです。またグリーン・ゲイブルズやダルベイ・バイ・ザ・シーのような文化的保護環境地も含まれているそうです。ミモザの花が咲き、Baby Leafが茂っていました。

カナダ旅行記Vol.2_c0061496_244134.jpgカナダ旅行記Vol.2_c0061496_2441414.jpg


★モンゴメリのお墓
カナダ旅行記Vol.2_c0061496_2475478.jpg1942年にトロントで亡くなった「赤毛のアン」の作者、ルーシー・モンゴメリのお墓です。結婚後、牧師をしていたご主人とともにプリンスエドワード島を離れたモンゴメリですが、プリンスエドワード島への思いは尽きることなく、なくなる何年か前にこの島を訪れた際に自らお墓の場所を決めたようです。

この場所を選んだのは、かつて青春時代を過ごした母方の祖父母の家(現在は住居跡しかない)と、海が近かったからとのことです。毎年夏前になると、地元の女性たちの手で美しく花が植えられるそうです。

墓石のモンゴメリの名前の下に「Wife of Evan Macdonald」とありますが、これは小説「赤毛のアン」で主人公のアンに「e付きのAnneと呼んで」と言わせたモンゴメリのこだわりで、本当のつづりはEvenだったそうです。

★グリーンゲイブルス郵便局&キャベンディッシュ合同教会
カナダ旅行記Vol.2_c0061496_3103018.jpgモンゴメリが暮らした祖父母の家の郵便局を、再現したそうです。モンゴメリの祖父母は農場を営む傍らで郵便局の仕事もしていたそうで、祖父の死後、祖母が亡くなるまでの3年間、実際にモンゴメリも郵便局の仕事をしていたそうです。

彼女はのちに、自分の家が郵便局だったため、誰にも知られずに小説を出版社に送ることができたと明かしたそうです。現在も夏の間だけ実際の郵便局として営業しており、ここから出した手紙には「Green Gables」の消印が押されるそうです。

館内は当時の郵便局の様子が分かるように、色々な展示がありました。当時は郵便物は局留めになっていて、各家ごとに郵便局に荷物を取りに行っていたようです。また冬の間、海が凍ってしまう季節は、左下の写真のように氷の上を船を引いて荷物を運んだようです。ちなみに右下はお土産としても人気の高いアンの記念切手(1枚8セント)です。アンのイラストがとてもかわいかったので私も買いましたが、ギフトショップではもう1枚のイラストと2枚セットで$6でした。ガイドさんによると、郵便局で買うのが一番割高だそうです。

なお、郵便局の後ろに見える白い尖塔がキャベンディッシュ合同教会で、現在も教会として使われているそうです。ここでモンゴメリは夫のマクドナルド氏と出会ったようですが、彼女は祖母がなくなるまで結婚しないという誓いを立てされられたようで、こっそりと婚約したそうです。

カナダ旅行記Vol.2_c0061496_3104335.jpgカナダ旅行記Vol.2_c0061496_310545.jpg


★グリーンゲイブルスハウス&恋人の小径とお化けの森
カナダ旅行記Vol.2_c0061496_3453017.jpg「赤毛のアン」ファンにとっては、聖地ともいえる場所です(笑)。アンが孤児院から引き取られ、マシューとマリラとともに幸せな少女時代を過ごしたGreen Gablesを再現した建物です。

もともとはモンゴメリの親戚であるマクニール兄弟が、モンゴメリと同じ年の養女マートルとともに暮らしていたそうです。モンゴメリが住んでいた祖父母の家からも近かったため、モンゴメリはたびたびここを訪れて、マートルと遊んでいたようです。館内はアンの世界が見事に再現されていました。

カナダ旅行記Vol.2_c0061496_4134.jpgまずはアンの部屋から。孤児院から引き取られ、Green Gablesで生活を始めて1年半ほどの部屋の様子を再現してるそうです。

ドアにかかった茶色のドレスは、引っ込み思案なマシュウがレイチェルに頼んで作ってもらったパフスリーブのドレスです。アンがこのドレスを着たときの喜びは、さぞかし大変なものだったでしょうね。アンはこのドレスを着て学校の主催するコンサートに出演、大成功を収めます。

ドレスの前の椅子の上にはアンがマシュウと出会ったとき、大事そうに抱えていた鞄が置いてありました。このほか写真では分かりにくいのですが、窓辺にはダイアナと夜に信号を送りあったとされるランプが置かれ、部屋の手前の方には「ニンジン」と呼ばれてカッとなったアンが、ギルバートの頭を殴って割ってしまった石版がありました。ベッドの枠のところにかかってるのは、アンが孤児院から着てきたきつきつの服だそうです。

カナダ旅行記Vol.2_c0061496_4144974.jpg一方こちらはマリラの部屋。きれい好きなマリラの部屋は、とってもシンプルです。ベッドサイドのテーブルには、アンが初めてのピクニックに行く前、大きな事件となった紫水晶のブローチが置いてありました。

ちなみに心臓の悪かった兄のマシュウの部屋は、1階にあります。人との付き合いが苦手だったマシュウの部屋らしく、玄関からお客さんが来たときはキッチンに、キッチンにお客さんがいたときは玄関に逃げられるようになっていたそうです。

カナダ旅行記Vol.2_c0061496_4413210.jpg左は1階のキッチンの様子です。当時は勝手口から家に入り、キッチンでお茶や食事をするのが一般的だったようで、牧師さんなど特別なお客様が来るとき以外は客間やダイニングは使わなかったようです。

勝手口の近くには頑丈そうなオーブンが置かれ、マリラはこれを使って家事をしていたという設定。ちなみに料理をしたり、食器を洗うのはキッチンのすぐ隣のパントリーで行ったようです。またこの部屋の端には大きな棚が備え付けてあり、ダイアナに出すつもりだった「Rasberry Cordial」が置いてありました。

なお、このほか1階には玄関を入ってすぐ左に客間があり、その奥にダイニングルームがありました。ダイニングルームのテーブルには、ダイアナをお茶に呼ぶときにアンが使いたがったバラのつぼみのティーセットが置かれ、食器棚の中にもカップが収められていました。また2階にはアンとマリラの部屋以外に、お客さま用の寝室と裁縫室、それに使用人用の小さな部屋がありました。

なお、下の写真は左から「雪の女王(Snow Queen)」、「恋人の小径(Lover's Lane)」、「お化けの森(Haunted Wood)、いずれも物語の中でアンが名づけたものです。

カナダ旅行記Vol.2_c0061496_4585655.jpgカナダ旅行記Vol.2_c0061496_459851.jpgカナダ旅行記Vol.2_c0061496_4592035.jpg



カナダ旅行記Vol.2_c0061496_5546.jpg★Fisherman's Warf Lobster Suppers
Green Gabelsでたっぷりアンの世界を堪能したあとは、North Rusticoへ移動して、名物のロブスターランチを堪能しました。ロブスター漁は細かい規制があり、すでにNorth Rusticoはシーズンオフとのことでしたが、それでも地元ならではの新鮮なロブスターを味わうことができました。

ガイドさんに教えていただきながら、ロブスターの正しい食べ方もマスター(笑)。おいしいロブスターを1匹独り占めでき、何はともあれ幸せなランチでした♪


カナダ旅行記Vol.2_c0061496_516829.jpg★モンゴメリの生家
食後はNorth RusticoからNew Londonへ移動し、モンゴメリの生家を訪れました。1874年11月30日に、ヒュー・ジョン・モンゴメリとクレアラ・ウルナー・マクニールの間に生まれたモンゴメリですが、生後わずか1歳9ヶ月で母を失い、父が他の場所へ移ってしまったことから、間もなく母方の実家に引き取られ、厳格な祖父母のもとで幼少期を過ごします。そのためここでの生活はほんのわずかですが、彼女が生まれた部屋(右)が再現されているほか、マクドナルド牧師との結婚式で着たドレスのレプリカも飾られていました。

★フレンチリバー
カナダ旅行記Vol.2_c0061496_526456.jpgプリンスエドワード島の代表的な風景のひとつ。この景色を写真に収めるために、新しいカメラを購入しようかと真剣に考えたほど(笑)。残念ながら写真では美しさが伝えられませんが、独特の赤土の色と海から流れ込む水の色、それに目の前に広がる牧場の緑がなんともいえない美しさでした。

ここはまた、ルピナスが美しく咲き誇る場所としても有名だそうです。ガイドさんによれば島で一番美しいかも…とのこと。丘いっぱいに咲いたルピナス、いつか見てみたいものです。


★グリーンゲイブルス博物館&輝く湖水
カナダ旅行記Vol.2_c0061496_544893.jpgモンゴメリの叔母さんの家で、結婚前の3ヶ月を過ごし、左の暖炉の前でマクドナルド牧師と結婚式を挙げたそうです。(現在もここで結婚式を挙げることができるらしい。)

厳格な祖父母の元で育てられたモンゴメリは、ここを訪れるのが楽しみだったそうで、幼い頃はアンがガラス戸にうつる自分にケイティ・モスと名付けていたように、架空の名前をつけて遊んでいたそうです。小説「パットお嬢さん(Pat of Silver Bush)でも「銀の森屋敷(Silver Bush)」として登場するそうです。

カナダ旅行記Vol.2_c0061496_55541.jpg左は「赤毛のアン」の冒頭で、アンがマシュウとともにGreen Gables向かう途中で見つけた「輝く湖水(Shainning Water)」です。物語の中ではバリーの沼として登場しますが、実際にはGreen Gablesの近くではなく、叔母さんの家のすぐ前にあったそうです。

なお、ここには現在もキャンベル家の人々が実際に生活するそうで、館内を見学後に奥さんとお話しましたが、黒いワンピースを着てすらっと立った姿がとても印象的な素敵な方でした。

★ケンジントン駅
カナダ旅行記Vol.2_c0061496_6102375.jpgツアーの締めくくりは、モンゴメリが利用したというケンジントンの駅舎跡を訪れました。アンがマシュウとであったブライト・リバー駅は、ハンター・リバー駅がモデルだったという説が有力なためここではないそうですが、雰囲気たっぷりの駅舎なのでアン流にまとめるなら「想像を広げる余地はたっぷり(笑)」といったところでしょうか。

最後は1日案内してくださったガイドさんと運転手さんと記念撮影して、ホテルまで送っていただきました。

前の晩、夜中の2時までかかって「赤毛のアン」を泣きながら読破し、合間にビデオも見たため、この日は朝からまぶたが開かずに大変でしたが、それぞれのシーンがとっても鮮明だったため、臨場感あふれるツアーとなりました(笑)。アンツアーに参加される方、直前の読書&ビデオ鑑賞、おススメです。
by ny-cafe | 2006-09-10 23:01 | Travel☆Travel