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Orlando旅行記 Vol.6
Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_0272782.jpgすっかり長引いてる旅行記の続きです(汗)。Orlando旅行最終日は、レンタカーでケネディスペースセンター(KSC)へ向かいました。

12月28日(木)
08:00 タクシーにてダウンタウンへ
08:20 レンタカーピックアップ
08:30 レンタカーでケネディスペースセンターへ
09:30 ケネディスペースセンター着
09:50 チケット購入
10:00 IMAX シアター
10:20 Kennedy Space Center Tour参加
14:30 Visiter Complexに戻る
14:40 NASA Up Close Tour参加
16:20 NASA Up Close Tour終了
16:30 Visiter Complexに戻って見学&買い物
17:30 ケネディスペースセンター発
18:20 花水木で夕食
20:30 ダウンタウンディズニー散策
22:00 ホテル着


ケネディスペースセンターは、アメリカ国立航空宇宙局(NASA=National Aeronautics and Space Administration )のスペースポートで、スペースシャトルの整備や組み立て、そして打ち上げと打ち上げ7秒後までのシャトルを管制してるそうです(その後の管制はテキサス州ヒューストンにあるジョンソンスペースセンターに引き継がれる)。

さほど宇宙に関心のない私ですが、日本にいたときから何となくシャトルを打ち上げる場所(当時はKSCだとは知らなかった…汗)に行ってみたかったので、旅行前からものすごく楽しみにしていました。特に今回のケネディスペースセンターは、我が家にとって最初で最後の訪問になること間違いなしなので、少しでも説明を理解したいと思い、日本語オーディオセットをそれぞれレンタル。さらにオプショナルツアーのNASA Up Close Tourにも参加することにしました。

これは入場料に含まれる通常のKennedy Space Center Tour(LC39 Observation Gantry、Apollo/Saturn V Center、International Space Station Centerを見学)では行くことのできない、シャトルの発射台近くや滑走路、VABの近くまで行く2時間ほどのツアーです。バスには専用のガイドが乗り込み、スペースシャトルやケネディスペースセンターについての様々な説明をしてくれます(英語のみなので理解できなかったけど…涙)。

この日はクリスマス後のピークシーズンということもあり、私たちは10時前にチケットを買いましたが、14:40のバスまで待たなければならないとのこと…。そこでまずはIMAXシアターで3Dの映像を楽しんでから、通常のKennedy Space Center Tourに乗り込んで、スペースセンター内を見学することにしました。

Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_1202232.jpg◆LC39 Observation Gantry
39A、39Bというふたつのシャトル発射台とVAB、それにケープ・カナベルを見渡すことのできる展望デッキがあるほか、シャトルに関する10分ほど(だったと思う…)の映像を見ることのできる小さなシアターや、シャトルやVABに関する展示物があります。

左は展望デッキから見たVAB(Vehicle Assembly Building)です。スペースシャトルは中央の巨大な外部燃料タンク(ET)、その両脇の2本の固体燃料ロケットブースタ (SRB)、そして宇宙飛行士が乗り込むオービター(Orbiter)で構成されますが、OPF(Orbiter Processing Facilities)で整備されたオービターはVABに運ばれ、横置きから縦置きに固定されたのち、固体ロケットブースターと外部燃料タンクが取り付けられます。そして出発最終段階になると、Crawlar Transporterという巨大なキャタピラーに乗せられ、ゆっくりと時間をかけて発射台まで運ばれるそうです。

Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_17475268.jpgちなみにCrawlerの表面積は野球のダイヤモンドと同じくらい、2台あり30年以上使っているそうです。またオービターだけでも80トン以上(打ち上げ時のシャトル総重量は2000トン以上!)あるため、Clawlarが通る砂利道は深さ2mまで埋めてあるそうです。

左はNASAのサイトから勝手に拝借した、シャトル打ち上げの写真です。オービターには打ち上げのために使われる3基の巨大なエンジンがあり、これに燃料となる超低温の液体窒素と液体酸素を供給するのがオレンジの外部燃料タンクです。外部燃料タンクは打ち上げからおよそ8分半で分離。大気圏に再突入して、バラバラに分解して太平洋へ落下するそうです(再利用されない)。一方メインエンジン3基だけでは足らない打ち上げ時の推進力のほとんどを担うのが固体ロケットブースターで、こちらは打上げから約2分後に分離され、パラシュートで大西洋に降下。着水後に回収され、オービター同様に、整備・点検ののち再利用されるそうです。

なお、シャトルの発射時には、114万リットルもの水をエンジン下部に放水するそうです。こればシャトル打ち上げ時の爆音や衝撃がシャトルにダメージを与えるのを防ぐためだそうで、EditerさんのEditor's Coffee Roomによれば、メインエンジン点火の約7秒前から放水が始まり、41秒でタンクは空になるそうです。Editerさんの縁の下の力持ちでは、スペースシャトルがVABを出発し、発射台に設置され、実際に打ち上げられるまでの様子を写真付きで紹介しています。とても興味深いので、是非参照してみてください。

ちなみにツアーのガイドさんによれば、シャトルの打ち上げ3日前から、スタッフは多忙を極めるそうです。カウントダウンは2日半前(ホントは3日前??)にスタート、3時間前になると宇宙飛行士たちが船内に乗り込むそうです。そして打ち上げ9分前になると一旦時計をストップさせて全てのシステムを確認。クリアとなった段階で再びカウントダウンを始め、6秒前に主要エンジンが点火、そのまま宇宙に向かって旅立つとのことでした。打ち上げまでのカウントダウンの様子を知りたい方は、うさぎさんのウサギの歩き方をどうぞ。

◇VABの前のCrawler Transporterとシャトルを固定するための台座
注:いずれもUp Close Tourで撮影
Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_11523682.jpgOrlando旅行記 Vol.6_c0061496_11525530.jpg
◇展望デッキから見たシャトル発射台とケープ・カナベル Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_1115078.jpgOrlando旅行記 Vol.6_c0061496_11151336.jpg
◇シャトルのエンジン(15回の宇宙飛行を経験)とVABとシャトルの模型Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_12345314.jpgOrlando旅行記 Vol.6_c0061496_11322622.jpgOrlando旅行記 Vol.6_c0061496_11323987.jpg



Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_13183857.jpg◆Apollo/Saturn V Center
実際に宇宙に飛行したSaturn V型ロケットや、アポロ13号の司令官ジム・ロベルが着用した宇宙服、月面着陸船(こちらはモデルだと思われる)など様々な展示物を間近で見学することができます。

また、アポロ計画のコントロールルームを再現した部屋では、記念すべきアポロ7号の打ち上げの様子を見ることができるほか、別の小さなシアターでは人類初の月面着陸を再現したミッションの様子も見ることができ、なかなか興味深かったです。

ちなみに人類を初めて月に送ったアポロ11号が、ケネディ宇宙センターから打ち上げられたのは1969年7月16日のこと。それから3日後の7月19日、船長だったニール・アームストロング(Neil Alden Armstrong)は、月面着陸船(Lunar Module/LM) で無事に月への第一歩を刻むことができました。記念すべき月への第一歩は、左足だったそうです。

なお、Wikipediaによれば人類を初めて月に送ることに成功したアポロ計画とは、月面探査を目的としたアメリカ合衆国の有人宇宙飛行プロジェクトで、マーキュリー計画、ジェミニ計画に次いで国家の威信をかけて取り組んだプロジェクトだそうです。アポロ計画では11回の有人飛行が行なわれ、アポロ7号からアポロ17号までの名称が付けられています。それ以前のアポロ4号から6号までは無人でのテスト飛行で、アポロ2号とアポロ3号は存在せず(欠番)、アポロ1号は最初の有人飛行として計画されていた飛行に対して、遡って命名されたそうです。

アポロ1号の正式ミッションはAS-204で、AS-201、AS-202、AS-203に続き、非公式にはアポロ3号(または4号)と呼ばれる予定になっていたそうです。しかし、このロケットに乗り込む予定だった宇宙飛行士3名は、1967年1月27日の発射台でのテスト中に起きた火災により、船内で命を落としてしいます。そのため彼らが搭乗する予定だった飛行ミッションAS-204が、アポロ1号と命名されたそうです。

これを受けてアポロ1号以前の無人ミッションにもアポロの名称をつけるべきだという議論が起きたそうですが、最終的に次に行われる最初の無人のミッション(AS-501)を「アポロ4号」と呼ぶこととなり、AS-201、202、203 については遡って再命名することはしないと宣言したそうです。(以上Wikipedeiaより抜粋/勝手に要約…。)

Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_1421357.jpg左は館内にあった大きさの比較表です。写真では分かりませんが、絵の下には左から「KSC ツアーバス9台(1台40 Ft)、スペースシャトル2機(1機184Ft)、Apollo/Saturn V型ロケット1機(363Ft)、自由の女神2.4体(1体152Ft)、Mercury/RedStone4.4機(1機83Ft)」と書かれています。下の写真は館内に展示されていたSaturn V型ロケット(実際に飛行したもの)ですが、長さは100m以上あり、あまりの大きさに私はただただびっくりでした。

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Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_14203751.jpgOrlando旅行記 Vol.6_c0061496_13593374.jpgOrlando旅行記 Vol.6_c0061496_14155651.jpg



Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_14493099.jpg◆International Space Station Center
Up Close Tourの出発時間が近づいていたためシアター見学は断念し、奥の建物に移って宇宙ステーションのブースを作っているところをちらっと見学しました。宇宙航空研究開発機構によれば、15カ国が参加する国際宇宙センター(ISS)は、地上約400キロメートル上空に建設が進められている巨大な有人施設で、1周約90分の早さで地球の軌道上を廻っているそうです。最終的にはサッカー場の2倍の大きさになる予定だそうで、これは肉眼でも見られる大きさなのだそうです。(観測予測はこちらでどうぞ。)ちなみにオーディオガイドでは、宇宙ステーション完成までは5年にわたりあと38回のフライトが必要と言っていましたが(ガイドテープが古いのか??)、宇宙ステーションは2010年には完成、シャトルもそれで運用が終了するとのことです。右はシャトル内のトイレです…。


Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_15484490.jpg◆NASA Up Close Tour
私たちが参加したUp Close Tourでは、実際にスペースシャトルの打ち上げが行われる39A、39Bという発射台(launch pads)の近くまで行くほか、シャトルが帰還する際に使われる滑走路や管制塔、それにVABやCrawlerも近くから見学することができます。中に入ることはできませんが、改めてシャトルの大きさを目の当たりにすることができました。ちなみに写真は右と右下が39B、左下が39Aで、両方とも使用されてるそうです。

Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_1538423.jpgOrlando旅行記 Vol.6_c0061496_15554178.jpg


アポロ計画に続く宇宙開発プロジェクトとして、1981年に初飛行を遂げたスペースシャトルですが、2010年には現在使われているDiscovery 、Atlantis、Endeavourの3機も全て引退するそうです。(完成した15機のスペースシャトルのうち現存は13機、既に10機は引退。)Wikipediaによれば「機体の再利用による打ち上げコスト削減を目的に開発・運用されたものの、2度の機体喪失・乗員全員死亡の大事故を引き起こした事で運用計画は大幅に遅延。またオービターを繰り返し使用するには多額のメンテナンス費がかかり、打ち上げコスト削減にも失敗したことから、商業打ち上げ市場を欧州やロシアのロケットに奪われる結果に終わったそうです。

そのため2010年以降は、Orion(オリオン座に由来)というロケット型の次世代宇宙船に引き継がれるそうです。Orionの長さはSatarn V型ロケットより長く、船内では最大6人のクルーが生活できるとか。2014年までに打ち上げられる予定で、月だけでなく、将来的には火星をめざすそうです。ちなみにOrionは、1機当たり10回程度飛行できるものになるようです。宇宙船=スペースシャトルだった私としては、シャトルがあと数年で消えてしまうのは、なんだか少し寂しいです。

Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_155929100.jpgOrlando旅行記 Vol.6_c0061496_15594367.jpg左はひときわ目立つVAB。この中で組み立てられたシャトルは、Crawlerに乗せられて発射台へと運ばれます。

ちなみに宇宙航空研究開発機構によれば、VABはSaturn V型ロケット用に建造されたそうで、シャトルはSaturn V型ロケットに比べてて背が低いため、現在はVABのシャッターが全開されることはないそうです。

Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_164366.jpgOrlando旅行記 Vol.6_c0061496_1641754.jpg左は同じバスに乗っていた宇宙飛行士の卵。右はシャトルが帰還する際に利用する管制塔です。

VABから3キロ離れた滑走路には、エドワー ズ空軍基地などに着陸したオービターを背負って運ぶ、NASA専用の特別機も着陸するそうです。オービターを背負った飛行機の写真を見たい方は、Wikipediaでスペースシャトルと検索してみてください。


下の写真はツアーバスの車窓から見かけた野生のワニと、ハクトウワシの巣です。ケネディ宇宙センターは34,000ヘクタールの野生保護地区内にあるため、しばしばこういう光景を見ることができるようです。

Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_16132776.jpgOrlando旅行記 Vol.6_c0061496_16134180.jpg



Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_1614444.jpg◆Visiter Complex
Up Close Tourは、その後Apollo/Saturn V Centerへ。ここから先はKennedy Space Center Tourのバスを利用して、Apollo/Saturn V CenterとInternational Space Station Centerを見学しても良いし、そのままVisiter Complexに戻っても良いとのことでした。私たちは先ほど駆け足だったInternational Space Station Centerへ向かうつもりでいましたが、バス乗り場に長蛇の列ができていたのを見てあっさり断念。Visiter Complexまで戻りました。

Visiter Complexでは屋外に展示されていたオービターExplorer号の実物模型を見学し、実際に宇宙飛行を体験したロケットが展示されているRocket Gardenを大急ぎで回りましたが、時間がなかったため、午前中にIMAXを見た以外はまともに見学することができませんでした。チケットが2日間有効になっている理由も納得です…。見所たっぷりのケネディ宇宙センターなので、なるべく早い時間に行くか、もしくは思い切って1泊するのをおススメします。

◆その他のツアーなど
ケネディスペースセンターでは、私たちが参加したNASA Up Close Tourのほかに、マーキュリー計画、ジェミニ計画、アポロ計画で使用されたケープカナベルの発射台などを見学する(と思われる)Cape Canaveral Now and Thenや、宇宙飛行士と一緒にランチができるLunch with an Astronaut があります。

ちなみに、基本の入場料は大人$38、小人$28。Hours & Admissionのページには、「Up Close Tour $59 adult/$43 child (ages 3-11)」とあるため、私たちは通常の入場料にさらに上記の金額が加算されると思い、チケットを買う際若干躊躇しましたが、この金額の中にはオプショナルのUp Close Tourのほか、IMAXやKennedy Space Center Tour、それにAstronaut Hall of Fameの入場料も含まれていました。

Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_2443782.jpgそれから、ケネディ宇宙センターではスペースシャトルの打ち上げや着陸、ロケットの打ち上げ風景を見学することができます。人気が高く、また打ち上げはしばしば延期になるため実際見学するのは難しいでしょうが、興味のある方は
こちらをチェックしてください。

ちなみに次回のスペースシャトルミッションはSTS-117で、3月15日 6:43am打ち上げ予定です(2月10日現在)。「The 21st shuttle mission to the International Space Station」、使用するオービターはAtlantisだそうです。


というわけで、楽しみにしていたケネディスペースセンターの見学はこれで終了。この日は再びOrandoに戻り、日本食レストラン花水木でお腹を満たしてからダウンタウンディズニーに向かい、自分たち宛に手紙を出してから(ティンカーベルのスタンプを押してくれる!)、空港近くのCortyard Orland Airportに向かいました。翌日12月29日は朝6:30発のUS-1660に乗り、マイアミからフィラデルフィアに移動。車で家に戻ってきました。楽しかったものの、寒さに震えまくったOrlando旅行。願わくば、次回はお天気に恵まれた旅行をしたいものです…。

Orlando旅行記 Vol.6_c0061496_1833316.jpgOrlando旅行記 Vol.6_c0061496_18332236.jpgOrlando旅行記 Vol.6_c0061496_18542290.jpg
by ny-cafe | 2007-02-10 11:15 | Travel☆Travel