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Pennsylvania Dutch
PAに住んでいると時々耳にする言葉のひとつに、Pennsylvania Dutchというのがあります。この場合のDutchはオランダではなくドイツのことを指すそうで、Wikipedeiaによれば17~18世紀にかけてドイツ語圏からアメリカに移住した人々の子孫で、主にペンシルバニア州東部に居住し、移民当時からの伝統的な文化を受け継ぐ人々のこと、または彼らが話す言語のことを言うそうです。

言語としてのPennsylvania Dutchはドイツのプファルツ(Pfalz)地域の方言に最もよく似ているそうですが、移民がやって来てから最初の数世代の間に各種の方言が融合したため、現在ではドイツ人が聞いても理解できないそうです。開拓期のペンシルバニアでは多くの人々がこの言葉を話していたそうですが、次第に英語を話す人が増え、彼らの子どもや孫の世代は英語しか知らない人がほとんどだそうです。そのため現在ではアーミッシュやオールド・オーダー・メノナイト派の一部の人々が、この言葉を引き継いでいるそうです。

ちなみにアーミッシュとは宗教的信条から昔ながらの生活を頑なに守って生活している人々のことで、電気やガスをはじめ、現代の技術による様々な機器を生活に導入することなしで生活しています。ラジオやテレビは勿論、電話もインターネットもない環境だからこそ、この言葉が頑なに引き継がれているのでしょうね。

Pennsylvania Dutch_c0061496_1310297.jpgアーミッシュの人々は車を運転することが基本的に禁止されているそうで(旅行などで他の人が運転する車に乗るのはOKだそう)、今なお馬車が生活の足として使われています。そのためランカスター地方(Pennsylvania Dutch Countyの別名を持つ)をドライブすると、左のような馬車注意の看板を時々見かけます。最初に見たときはびっくりしました。ランカスターにはアーミッシュの村があり、生活の一部が公開されているので、暖かくなったら出かけてみようと思います。


なお、カレッジの先生は小さい頃おばあさんに「Throw the cow over the gate some hay.」と言われてびっくりしたそうです。正しくは「Throw the hay over the gate to the cow.」で、干草を牛に投げておやりくらいの意味でしょうか??また「Outen the Lights.(Turn off the lights.)」とか、「The candy is all.(There is no more candy.)」などと言われたことがあるそうで、これらはPennsylvania Dutch Englishと言われ、ドイツ語の単語と文法がミックスされた英語を指すようです。開拓期や移民としてやってきた人々の苦労が何となく伺え、なかなか英語が身につかない私はかなり親近感を覚えました…。


ちなみにPennsylvania Dutchで検索したら、AUNT STELLA'Sと、Anna Miller'sがヒットしました。クッキーでお馴染みのステラおばさんは、ランカスター地方に住んでいたお菓子作りの上手なおばあちゃまだったんですね~。一方Anna Miller'sは制服のインパクトが強すぎて考えてこともありませんでしたが、こちらもPennsylvania Dutch料理が基本とのこと。Pennsylvania Dutch、まだまだ奥が深そうです…。
by ny-cafe | 2007-03-06 13:52 | Pennsylvania!