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Belmont Stakes
Belmont Stakes_c0061496_10212652.jpg土曜日はベルモントパーク競馬場へ行ってきました。お目当てはもちろん、今年で137回を数えるベルモント・ステークス(Belmont Stakes)です。

ケンタッキー・ダービー、プリークネス・ステークスと並び、アメリカ3冠レースの最終戦として開催されるベルモント・ステークスは、毎年ダービーから数えて5週目、プリークネスからは3週目にあたる、6月の第2土曜日に開催されます。

5週間で3レース、しかもチャーチルダウンズ競馬場(ケンタッキー州)、ピムリコ競馬場(メリーランド州ボルチモア)、ベルモントパーク競馬場と転戦するため、アメリカの3冠レースはイギリスや日本の3冠レースに比べてレース条件は過酷で、3冠馬が誕生しにくいと言われています。

実際これまで11頭の3冠馬が誕生していますが、1978年にAffirmedが達成したのを最後に、アメリカでは30年近くも3冠馬は生まれていません。今年もすでにケンタッキー・ダービーとプリークネス・ステークスで異なる馬が優勝したため3冠馬の誕生はありませんでしたが、当日は競馬ファンはもちろん、家族連れや私のような野次馬も含め、競馬場にはたくさんの人が集まっていました。

赴任が決まったときから「このレースだけは絶対観に行く!」と公言していた旦那は、馬券の買い方や競馬新聞の読み方を教えてもらったり、HPで色々調べたりして、着々と準備を進めていたようです。競馬場に着いてからのあまりにスムーズな行動に、旦那のやる気を見た気がします。好きなことにかけてはとても前向き、さすがB型です。(ちなみに私もB型。)

Belmont Stakes_c0061496_1345078.jpgこちらは競馬場で買ったレーシングプログラムです。無料で置いてある日本のレーシングプログラムに比べ、内容は充実しているようです。第1レースから最終の13レースまで、レースごとに出走馬の名前やジョッキーの名前、それに予想オッズや通算成績、直近の10レース分程度のレース結果が掲載されているほか、ベルモント・ステークスの歴史なども載っていました。競馬新聞も別にあるようですが、レーシングプログラムを片手に予想をしている人をたくさん見かけました。


ちなみにこの日大注目だったAfleet Alexのページを見ると、ジョッキーはJeremy Roseで予想オッズは6-5。通算成績は11戦7勝・2着2回・3着1回で、内訳は2005年は5戦3勝・2着0回・3着1回、2004年は6戦4勝・2着2回・3着0回、今年の3冠レースの結果は下記の通りでした。
☆5/21 プリークネスステークス:優勝(4と3/4馬身差):2着Scrappy、3着Glacomo
☆5/7 ケンタッキーダービー:3着(1馬身差):優勝Glacomo、2着Closing Argument
(Glacomoは同じレースで走るため、太文字で書かれていました。)

さて、気になるオッズですが、このプログラムはもちろん、場内のモニターにも「6-5」「4-1」「50-1」という具合に表示されていました。これ、「6-5:6÷5」「4-1:4÷1」「50-1:50÷1」という意味なのだだそうで、オッズはそれぞれ「1.2」「4」「50」となります。またアメリカでは「1ドル買ったらいくら儲かるか」を基準にしてオッズが算出されるため、1.2倍なら「$1買った場合$1.2儲かる」ことになり、当然払い戻し金は$2.2となります。つまり日本流に考えると、オッズは2.2倍です。同様に「4-1」はアメリカでは4倍ですが日本では5倍、「50-1」ならアメリカでは50倍ですが日本では51倍となります。算出方法と表記方法が日本と違うので注意が必要ですね。

予想が固まったらいよいよ馬券の購入です。馬券の種類については、ベルモントパーク競馬場のHPを参照してください。HPに添って上から説明すると下記のようになります。
「WIN, PLACE AND SHOW」
Win:1着になる馬を当てる。(単勝)
Place:2着までに入る馬を1頭当てる。
Show:3着までに入る馬を1頭当てる。(複勝)
「2-HORSE WAGERS」
Exacta:2着までの馬番号を着順どおりに当てる。(馬単)
Quinella:2着までの馬番号の組み合わせを当てる。着順は関係ない。(馬連)
Daily Double:指定された2レースの1着を全て当てる。
「3-HORSE WAGERS」
Trifecta:3着までの馬番号を着順どおりに当てる。(3連単)
Pick 3:指定された3レースの1着を全て当てる。
「EXOTIC WAGERS」
Superfecta:4着までの馬番号を着順どおりに当てる。(4連単)
Pick 6:指定された6レースの1着を全て当てる。

上記のうち、斜線の馬券は指定された連続する複数のレースで1着を全て当てるものです。中でもPick 6は、時々大きな配当金が出るため人気があるようです。6レース全てを当てなければならないため、当たり馬券が出ないこともあり、その場合翌日以降のレースにキャリーオーバーされるそうです。ちなみに購入できる馬券の種類はレースごとに異なり、Pick 6は6レースでのみ設定されていました。

Belmont Stakes_c0061496_20124544.jpg左の2枚は馬券売り場の様子です。機械の販売機もありますが、窓口がたくさんあるのでそれほど待たされることなく購入出来ます。中には$50以上の専用ブースもありました(笑)。

窓口で購入する場合は、最初に「レースの番号」を伝え、次に「金額→馬券の種類→馬番号」を伝えます。例えば5レースで7番の馬に単勝で$30かけるなら、「5レース、$30、Win、馬番号7」といった具合です。

Belmont Stakes_c0061496_2055829.jpgBOX買いもでき、「1-2」「2-1」の馬単なら「Exacta、 Box 1-2」でOKです。また1から流して2、5、11と買う場合は「Exacta、1with2、5、11」、「1、2」で流すときは「Exacta、1、2with2、5、11」で、それぞれ「1-2」「1-5」「1-8」の3点、「1-2」「1-5」「1-11」「2-5」「2-11」の5点をまとめて買うことができます。ちなみにこの5点に「2-1」を加える場合は「BOX 1-2」と「1、2with5、11」と分けてオーダーします。pick 3なども同様で、「1with2、3、4with5」なら、「1-3-4」「1-3-5」「2-3-4」「2-3-5」の4枚をまとめて買えます。

レース番号は省略しても次のレース分で作ってくれますが、他の3つは上の順番で機械に入力していくので、違う順番で言っても聞きなおされます。買い間違いをなくすためにも、上の順番で伝えたほうが良いと思います。

ちなみに支払いは現金のほか、NYRA(New York Racing Association)のキャッシュカードが利用できるようです。スーパーやデパートでは必ず偽札でないかどうかチェックされ、日常生活では嫌われ者の$50札や$100札も、競馬場では普通に通用しているようです。もちろんその分警備も厳重のようで、中でもウイナーズ・サークルの近くには、機関銃のようなものを持った警官がふたり立っていました。

さて、肝心なベルモント・ステークスですが、1867年にジェロームパーク競馬場で開催されて以降、今年で137回目を迎えました。(ベルモントパーク競馬場での開催は1905年からで、1911年と1912年は中止。)3歳馬限定のレースで、アメリカのG1レースでは最も長い12ハロン(1マイル半、約2400m)のダートコースで行われます。他の3冠レースもダートコースで行われますが、距離はケンタッキー・ダービーが1マイル1/4(約2,000m)、プリークネス・ステークスは1マイル3/16(約 1,900m)と短く、そのせいか2004年までの過去9年間では、ケンタッキー、プリークネスと優勝した馬がベルモントで破れる年が6回もあったそうです。


ベルモント・ステークスは夕方6時半過ぎにスタートしましたが、レースの前には「New York New York」が流れ、トラックにサラブレットが出てくる頃にはすでに観客の多くが立ち上がり、ご贔屓の馬を大声で応援していました。中でも1番人気のAfleet Alexが出てきたときは、「Come on Boy」とか「Go Afleet」とか、ひときわ大きな声援が飛んでいました。レース中はもちろんすごかったです。

結果は1番人気のAfleet Alexが、2着に7馬身の大差をつける圧勝でした。ダービーこそ3着と沈みましたが、プリークネスに続いての2冠達成です。ベルモント・ステークスで優勝した馬には、30~40ポンドもある白いカーネーションで作られたマントがかけられ、ティファニー製の銀のトロフィーが贈られるそうなのですが、あまりに混んでいたので見ることが出来ませんでした。

ちなみに我が家の結果はというと、メインレースは外しましたが、この日は収穫がありました。オッズやレース結果を見ても全然予想ができない私は、ほとんど何も考えずに「4-7」の組み合わせで馬券を買っていたら、6レースが大当りしました。それも2着が10番人気だったので万馬券です。

Belmont Stakes_c0061496_10331151.jpg左は証拠写真です(笑)。一番下の「EX 7-4 $337」が我が家が当てた馬券です。払い戻し金額だけはなぜか$2あたりの金額が表示されるので、$1だけ買った我が家は$168.50 が戻ってきました!旦那も別のレースを当てたので、コツコツと$1馬券を買っていたにも関わらず、この日は$100以上勝った計算です。帰りはホクホクで外食してきました♪




最後に競馬場の写真を何枚かアップします。
Belmont Stakes_c0061496_2054550.jpgBelmont Stakes_c0061496_2171146.jpg
Belmont Stakes_c0061496_226721.jpg上は左が芝生の見学エリア、右は3階奥のブース(無料)です。このブース、モニターの前に机と椅子が設置されていて、まるで図書館や予備校の自習室の雰囲気です。長年の習性とは恐ろしいもので、旦那が真剣に予想している間、私はすっかりここで爆睡していました(笑)。

左は2階と3階にある一般のスタンド席です。次回はスタンド席のチケットの購入を検討しようと思います。


Belmont Stakes_c0061496_2062554.jpgこちらはゴールの真正面にある、2階の特別観戦席です。観戦席はブースごとにモニターが設置されていて、オンラインで馬券購入できる模様です。ジャケットは必須で、お金を出しても買えないのだとか…。暗くて全然わかりませんね(汗)。中には上品なスーツに大きな帽子をかぶった年配の女性や、麻のスーツに帽子といういでたちの紳士がいて、ガラス越しに眺めるだけでも別世界でした。



Belmont Stakes_c0061496_1322861.jpgBelmont Stakes_c0061496_208041.jpg

Belmont Stakes_c0061496_2061495.jpg上はメインレース直前の様子です。左はコースに出てきた直後のWatchmonです。この写真のように、なぜかどの馬も伴走がいました。右はゲートイン直前の写真ですが、奥の芝にはNYPDか何かの馬がたくさん並んでいました。(←このさらに内側が芝コース)。ちなみにこの頃にはスタンド席の観客は総立ちで、レースの様子はあまりよく見えませんでした(涙)。

左はウイナーズサークル近くで馬を眺めていた人たちですが、一般には開放されていないエリアなので馬主さんとか、関係者なのでしょう。男性はジーンズにカウボーイハットでしたが、隣の女性は背中の大きく開いたドレスに、大きなツバのついた白い帽子を持っていました。

10月には1日中G1レースばかり開催されるBreeders' Cupがあるので、今度は色々準備して出かけてみようと思います。
by ny-cafe | 2005-06-14 00:15