m's New York cafe
nycafe.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
豆乳アレルギー
私はアレルギー持ちです。小さい頃は、空気も水もおいしい山梨の田舎で野生児のような生活を送っていたせいで何もなかったのですが、高校1年の終わり、ある日突然花粉症になりました。まだまだ花粉症がそれほど認知されていなかった時代のこと、授業中あまりに目がかゆくてかいていたら、先生に「顔洗って来い」と言われました。眠いならもっとうまくやるって…。

その後大学に入り、ひとり暮らしを始めたとたんに「りんご」と「もやし」に反応するようになりました。花粉症の方なら経験がある方も多いと思うのですが、同様の喉のかゆみが出るのです。幸いアップルパイやジュースでは反応しないので、りんごは生でさえ食べなければ大丈夫なことがわかりましたが、もやしはしっかり炒めても駄目なことが多く、それ以来我が家の焼きそばはもやし抜きになりました。

ちなみに外で食べるときはもやしが入ってることも少なくないので、炒め物などのときは1本1本取りのぞくようにしてます。三十路女の行為としてはかなり恥ずかしいので、一応「アレルギーで食べれないんです」と説明するようにしていますが、何となくそれすらはばかれるときは我慢して食べます。もやしもりんごも15分もすすればかゆみは落ち着くので、不愉快ではあるものの、覚悟さえすればなんとか乗り切れるのです。(絶対進んでは食べないけど…。)

問題は豆乳です。

小さい頃は近所にお豆腐やさんがあったので散々飲んでいたようですが、物心ついてからは飲んだ記憶がありませんでした。そこで今から5~6年前、それこそ15年とか20年ぶりに紙パックの豆乳を買ってみたのですが、恐ろしいことが起こりました。

飲んでるときからなんとなく違和感はあったのですが、飲み終わって5分もしないうちに首から頭にかけてかゆくなり、そのうち頭皮も含めて全身にブツブツが出始めたのです。下したわけではないのに急にお腹が痛くなり、そこから3時間、なんだかよくわからない腹痛とかゆみにもだえ続けました。

電話で母に説明してもこういう状況ではオロオロするだけなので、友人に電話で相談すると、お母様も一緒に心配してくれました。困ったときの友人母、強い味方です(笑)。ひとり暮らしだったので、一応近所の救急病院を調べたり、医療センターのようなところにも電話して状況を説明してみましたが、飲んでから3時間を迎えようとする頃、ついに脈が早くなり、心なしか呼吸も苦しくなったので「119」をダイヤルすることにしました。

もちろん5分もしないうちに救急車はやってきましたが、この間さらに恐ろしい反応がでたから驚きます。あろうことか、さっきまで体中に出ていたブツブツが突如として消え始め、救急隊員の方が玄関のチャイムを押す頃には、普通に出迎えられる私がいました…。

若干救急隊員の方もびっくりした様子でしたが、とりあえずお財布と保険証と印鑑、ついでに飲み終わった豆乳の紙パックを持って救急車に乗り込み、車内でしばし経緯の説明をしました。実はその頃には痛みも大分おさまっていたので、このまま家で寝るのも悪くないかなぁと思ったのですが、隊員の方が「一応病院行きますか??」と言うので、素直に従うことにしました。あとからわかったのですが、このとき断っていたら、私は救急車の費用を負担することになったそうです…。

その後近くの救急病院で、夜中にたたき起こされたらしい当直の先生が不機嫌そう&怪訝そうに診察してくれましたが、すでに体中のブツブツはきれいになくなり、私はただただ3時間の経緯を説明するしかありませんでした。きっと、「夜中に豆乳の紙パックを持った20代後半のお騒がせな女」と思ったことでしょうね。万が一また救急車を呼ぶようなことがあれば、そのときはタイミングを間違えないようにしようと強く心に誓いました。


ちなみに後日この話を他のお医者さんにしたところ、「皮膚にボツボツが出てる時は内臓にも出ている」と言われ、さらに「1度アレルギー反応したものは症状がひどくなることもあり、最悪の場合命を落とすことにもなりかねないので豆乳は飲まないほうが良い」と言われました。もちろんあんな苦しい思いをするくらいなら、2度と豆乳なんぞ口にするものかと思ったのですが、それから間もなくして世にも奇妙な「豆乳ブーム」が訪れ、事態は変わります。

まずデザートに豆乳を使ったものが増え始め、友達が頼んだものを横からペロッといただいて、反応することが何度かありました。シチューを作ってくれた友人が、翌朝ちゃんと「豆乳で薄めたよ」と言ってくれたのに、寝起きのボーっとした頭で食い意地にまかせて食べて動けなくなったこともあったし、さらにはこんなこともありました。送別会の2次会で入ったお店に、豆乳鍋しかなかった…。おいしそうなカニとかお肉(ちょっと良い値段だった)をひたすらながめ続けた冬の夜、私は徹底的に豆乳嫌いになりました(笑)。

ちなみに納豆やお豆腐をはじめとし、豆類や牛乳にも反応しないので、未だなぜ豆乳だけ反応するのかわかりませんが、豆乳だけは加熱しても駄目、症状もひどいので、かなり神経質に避けるようにしています。おかげで京都に行ったときは清水寺近くの豆腐懐石(?)に入ったものの不安だったのでひとりだけ他のものを頼んだし、湯葉懐石なんて丁重にお断りするしかありませんでした。生湯葉は嫌いじゃないだけに、アレルギーが恨めしかったです。

なお、NYでも豆乳は人気があるのか良く見かけますが、言葉もうまく通じず、医療システムも複雑なこの国で、救急車なんぞ乗ったらいったいいくらかかるのか想像するだけでもこわいので、極力近づかないようにしています。豆乳を作ってる方々には申し訳ありませんが、豆乳ブーム、とっとと去ってくれることを秘かに願っております…。


ちなみに最近教えていただいたのですが、アメリカではピーナツバターアレルギーの子供が多いようで、お弁当に持っていくのも禁止されてる学校が多いそうです。ピーナッツバターを食べた男の子が、半日以上たってガールフレンドにキスしたところ、女の子がなくなってしまったという事件もあったそうで、アメリカでもアレルギーは深刻なようです。
by ny-cafe | 2006-02-02 03:06 | 日々の出来事(in USA)